池袋ほど、中国の温かい人情とエネルギーが満ちた街 はない。

孟靖は 1993年、石家荘から日本へ留学
御茶ノ水女子大学で 教育学の修士号 を取得し、その後も池袋で暮らし続けた。

彼女は 池袋の変遷を30年にわたって見届けてきた
ホテル経営、平面デザイン会社 JMC国際 の設立。
営業を意識せず、ただ良い仕事をする」——その信念が、会社の成功を支えてきた。

しかし、彼女には もう一つの夢 があった。


ダンスと池袋——夢を形に

大学時代、彼女は 社交ダンスに夢中 だった。
ダンスは 青春の記憶 であり、生きるリズムそのもの

十数年前、池袋には 多くの中国人が開催するダンスパーティー があった。
しかし、公民館の会場を確保するのは至難の業。
どこで開催できるか」は 抽選次第
まるで 漂流するような ダンスの日々。

「安得広厦千万间、大庇天下寒士俱歓顔」
(どうか無数の家を建て、困っている人々を広く守ることができたなら)

孟靖は「千万の家」を望まない。
ただ、自由にダンスができる、美しい多機能スタジオ が欲しかった。

そんな時、2019年、池袋の大手学習塾 「早稲田学院」 が閉鎖し、フロア分の空間が空いた。

「これだ。」

彼女は すぐに契約を交わし、元々北口にあった会社も移転。
徹底的に改装を施した。

2019年11月16日
240㎡の「Studio-M」 が誕生した。

最新の音響設備・照明、鏡張りのダンスホール、桜木のフロア
少人数制の教室は、舞踊スクールや企業研修 にも最適な設計。
今では、数多くの中国人ダンススクールの池袋拠点 となり、
日本企業のイベント会場としても利用されている。

📍 Studio-M 公式サイト
https://mstudio-ikebukuro.com/

池袋に、中国の人々が自由に集い、心を通わせる場所をつくる。
それが、孟靖の最初の夢 だった。


母親を支える、もう一つの夢

しかし、彼女には もう一つの夢 があった。

それは、「教育」

元教師の彼女は、子どもたちへの愛情と教育への情熱 を持ち続けていた。
自分の子どもはすでに成人。
ならば、異国で育児に奮闘する母親たちを支えたい——そう思った。

そこで始まったのが 「妈妈会悟(ママカフェ)」

「妈妈会悟」は、母親たちが 深く語り合い、学び合う場
小規模での開催にこだわり、時には 赤字覚悟の慈善活動 のような形になることも。
しかし、孟靖は 「それでも価値がある」 と言い切る。

若い頃、人は 「何かを得たい」 と思うもの。
しかし、年齢を重ねると、
「ただ誰かを助けたい」 という気持ちが強くなる。

池袋に、
中国の人々が集い、学び、成長できる場所をつくること。
それが、彼女の 心からの願い なのだ。


池袋で「家」を築く

孟靖は、池袋で ダンスホールを持つ夢 を叶えた。
そして今、「教育の場を創る夢」 を育んでいる。

彼女の人生は、池袋の街とともに歩んできた。
ここに集う人々が、
安心して笑い合い、学び合える場 をつくること。

それが、池袋で生きる中国の女性——孟靖の、本当の願い なのだ。

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